近未来少年少女



確かに俺もお節介だけど…俺って言うよりは……


『みのるはミノルに似てるよ』


上手く言えないけど空気とか波長とか、何でも見透かされてるような雰囲気とか………

みのるとミノルが重なって見える事が何回もあった


『ふーん…。まぁ、そう見えても仕方ないけどね』

みのるは意味深に笑っていた


こうゆう所もあいつそっくり、意味深な事を口にするくせに最後まで語らない


謎だけ残して何も言わない
後は“自分で考えろ”そう無言で言ってるみたいに


『じゃぁ次は俺の番ね』

みのるの言葉で空気が変わった


“向き合う時が来た”

“誰と…?”

“ユウキと”


ドクン…………ドクン………………

な、何を言われるんだろう?

ドクン………
……ドクン………


『ぷッ……』

緊張とは裏腹に耳を疑う笑い声

………え?な、なに笑って……


『そんな緊張すんなよ…!大した事じゃないから』

みのるの言葉に俺の緊張は一気にほどけた


な……なんだ…なんかすごい事言われるのかと思った

『俺が聞きたいのは一つだけ』


『……?』


『これは一番聞きたい質問だから真剣に考えて』


みのるは今まで俺に質問なんてしてきた事はない

いつだって俺が質問する方で、みのるは答える側だった

そんなみのるが一番聞きたい質問って……………


『なに…?』



『もし何のリスクもなく、何の問題もなく大人にならなくていい世界に行けるとしたら……ユウキはまたその世界を選ぶ?』




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