近未来少年少女


ってかこの絵どこかで……

『気が付いたね
この絵は前に君に見せた絵だよ』


やっぱりそうだ


俺がΜに初めて会った日に
見せられた一枚の写真



その写真に写ってた絵は
まさに今俺の目の前にあるこの絵だった


『この絵がなんなの?』


俺が聞くとΜは言った


『ここが入り口だよ』


……は?い、入り口?

入り口って……………



『自由の国
僕達の…僕達だけの
夢の世界の入り口さ』



誰がどう見てもただの絵だし、
これが入り口だと言われても冗談だと思うだろう


だけどΜの目は冗談を言っている目ではなかった



“行ってはいけない”


“この線を
越えてはいけない”



俺の頭の片隅で誰かが言ってる気がした


“自由の国”


“夢の世界”




この時の俺は

先の見えない未来ではなく

息苦しいこの世界ではなく


線の向こう側、

“フリーチルドレン”と言われるその世界の魅力に


心が支配されていた



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