近未来少年少女



だってみのるが全てを話してくれる時は別れの時だとわかっていたから


“もう最後”


いつか来ると思っていた

ドクン……ドクン………………

それなのに鼓動が早い


『なんて顔してんだよ?』
みのるが俺の顔を覗き込んだ


『…………』


『今聞かないと一生聞けなくなるかもよ?』

バッ!!俺は勢い良く顔上げた


『聞かない、謎が多いのが“みのる”だから』


俺は“みのる”について何も聞かないと決めた


だってもう分かってるから
みのるが誰なのかをー……

『そっか……!じゃぁ行くか、ミノルの所に』


みのるは右手を差し出した

その手はミノルよりも大きくて、俺より小さい手だった


俺も右手を差し出した、そして………


手が触れあった瞬間、眩い光に包まれた


この光は………
……………………

夢の世界に行った時と帰る時に感じた光

俺はみのるの手を力一杯握った


『また会えるよな……?』

『さぁ…どうだろうね。“未来”に保証なんて言葉はないから』


『………』


『でも……』


『でも?』


『いや……照れくさいから言わない』


完全に光に包まれた俺達は、手の感触だけ残してお互いの顔が見えなくなった


俺は込み上げる思いを右手に込めて、みのるの手をさらに握った


その感触は少しずつ…………

少しずつ……消えてゆく


『み……みのる!!!!』

目も開けられない程の眩しい空間で俺の声が響いた

そんな中でみのるの言葉が聞こえた



『生きてれば悩んだり立ち止まったりする時もある。そんな時はこれを見ろよ』

……………………
………


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