猫被り王子は私の彼氏!!♡







「ちょっ…やだ!離して!!」






私の腕を引っ張ってるのは…






竹田くんだった。









竹田くんは抵抗する私をものともせず

近くの公園のトイレに連れて行こう

とする。






「別れないんだったら別れなきゃ

ならないようにしてやるよ」







え…!?




竹田くん…どうしてそこまでして

私達を別れさせたいんだろ。。





てゆか、早く逃げなきゃ。






でもそう思った時は遅くて

私は男子トイレに連れ込まれていた。






「もう逃げられないね。」






竹田くんは私をトイレの端に

詰めると私を見下ろして不敵な笑顔を

浮かべる。






もう優しかった竹田くんはいない。






「お願い…やめて」

「そうだ!一つ良いこと教えてやるよ」







いいこと?





竹田くんはポケットからスマホを

取り出し再び私にあの写真を見せた。







優と女の子のキスショット。





私は見たくなくて目をそらした。








でもそんな私を見て竹田くんは

クスリと笑う。







「これね、実は合成なんだ」






え!?





私は竹田くんの言葉にびっくりして

もう一度その写真を見る。







…ほんとだ。よく見ると少し不自然。







てことは私…








「上手く騙されてくれてありがとう」







竹田くんは満面の笑みを浮かべて

いるが目は笑ってない。







優は何も悪くないじゃん…





なのに私ちゃんと優の話も聞かずに

勝手に…






私はまた涙を流す。







それを竹田くんが袖で拭いてくれた。








「泣くなよ。今から楽しいこと
するんだから。」







その言葉の意味を私が考える前に

竹田くんは私の両腕を拘束した。






「やだ!やめて!お願い!」







叫ぶ事しか出来ない私は一生懸命

叫んだけど竹田くんは聞いてくれない。







優…。助けて…







竹田くんは私の制服の下に手を

滑らせて片方の手は太ももを撫でる。








あまりの気持ち悪さに私は

目に涙を溜めて必死にあの人の名前を

叫んだ。








「助けて!!優!優!!」





でも全然優は来てくれなくて

それどころか竹田くんは楽しんだ

かんじでどんどん私の体をさわる。








もうどうなってもいいや…






自業自得だもんね。




優もこんな私に呆れて助けに

なんて来てくれる訳ないよ。









そう私が諦めて抵抗をやめた瞬間…







バン!!!








トイレのドアが勢いよく開いて

誰かが入ってきた。






優…?








「おい!!!テメェ…!!!」





優は私にしか見せない目を…

いや私にも見せない鋭い目で

竹田くんを睨みつけ殴りかかった。










ガン…!!







乾いた鈍い音が目の前で聞こえて

その後も何度も何度も優は

竹田くんを殴りかかる。








私は自分で拘束されたのを解き、

竹田くんを馬乗りして殴る優を

止めに入った。








「優!!もういいから!死んじゃう。」




「死ねばいいんだよ。こんな奴。」








だめだ。言うこと聞いてくれない。


なら…







私は優の頬を両手で包み込み

キスをした。








「私は無事だよ!!ここにいるよ!!

だからもうやめて!!」







優に聞こえるように必死に叫ぶ。






優は少しの間、私を見つめると

竹田くんを殴る手を止めた。








そしてぎゅって私を抱き締めながら






「良かった。無事で。」






ってつぶやいた。








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