タイムマシン【短編】
3.タイムトラベラー
まさか、昨日私が殴った強姦が、大木博士だったなんて…。

大木博士が美希ちゃんを襲った…?

そして、私が博士を殺した……。

そんなことが信じられるわけがない。

目の前が真っ暗になった。その事実を受け入れることが出来なかった。

その前に、人を一人殺してしまったんだ。


「大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですけど」

探偵にそう言われた。

「い、いや…」

大変なことをしてしまったが、言える訳はない。信じる訳もない。


私は歴史を大きく変えてしまったんだ。


まさか、博士を殺すなんて…。


現場に指紋は残っているはず。
ということは、もうすぐ私は捕まる…。いや、この時代に私の存在はあるようでない。ということは、同じ指紋の若い私が捕まってしまうのでは?


何も知らない、何もしていない若い私が捕まってしまうのは、時間の問題だった。


私は、探偵に今までの報酬を渡し、こう尋ねた。


「強盗に襲われそうだったところを反撃して殺してしまったら、正当防衛かな?」



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