✝kiss×love
9 マリ姉と。

 翌日....
 
 私は、放課後、マリ姉ちゃんと話すことに決めた。
 
「ふぅ。あと2時間で放課後かぁ。」
「どうしたの蘭ちゃん?」
「あっ、夏樹くん。なんでもないよ。」
「そう。」

 私と夏樹くんと郁也は同じクラス。
 なんちゅう偶然だ。
 
 キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♬
 
 あっという間に時間はたち、放課後になった。
 運命の時。
 
 私は保健室にむかった。
 
 ガラガラッ...
 
「失礼します。」
 
 ドクドクドク...
 
 心臓がすごい。
 鼓動がハンパじゃない。
 保健室には私一人。
 先生は出張らしい。
 
 深呼吸。
 
「マリ姉ちゃん!私!蘭よ!蘭!」
 
 シンとする保健室。
 諦めない。
 
「マリ姉ちゃん。蘭よ。お願い出てきて。話がしたいの。」
 
「蘭...?あの蘭ちゃんなの...?」

 誰もいないのに聞こえる声。
 そうだ、私霊感ないんだった。
 
「うん、蘭だよ。ゴメンなさい、私霊感なくて見れないの。」
「いいえ、大丈夫よ。本当に蘭なの?」
「もちろん!蘭よ!私ね、マリ姉ちゃんのこと覚えてないの。
 小さい頃だったから。だけど顔を見たら思い出せるはずなの!
 だけど、霊感なくて。。。見れないかな?」
「霊感がなくても見れるわ。だけど、あなたには見せられない..」

 どうか、見せて!
 
「どうして見られないの?」
「だって私...ものすごい姿ですもの。血だらけで、顔をみせた瞬間あなたは気絶しちゃうわ。」
「だ、大丈夫だよ!私、結構強いんだよ。お化け屋敷とかめっちゃ入ってるし。ハハハ...」
「いいの?本当に?怖いのよ?」
「構わない。私、マリ姉ちゃんがみたいの。どうしてもみたいの。」
「わかった。じゃあ心の準備はいい?」
「...はい!オッケー!」
 
 大声をだして、私は思い切り目を開けた。
 
 目の前には、真っ黒い髪の毛で顔から血が出ていて、
 だけどとても優しそうなお姉ちゃんがいた。
 
「わっ!」
「あっ、ごめんなさい!本当に怖いでしょう?」
「ううん、慣れた慣れた。」
 
「あ....」
「?」
 
 私は、いろいろな思い出がよみがえった。
 小さい頃だろうか、まわりに人がいっぱいいる。
 優しそうなお姉ちゃんが居る。これか、これがマリ姉ちゃんか。
 
「見えた!私、マリ姉ちゃんのことを思い出せたわ!」
「本当?嬉しいわ。」
 
 そのときは、周りから見たら一人言にしか見えないかもしれない。
 だけど、私にとってとてもいい思い出になったのだ。
 
 
 続く..
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