Summer Sky

第1章−Awakening

第１章

「うーん。。」

セルフレームのメガネをかけた少女は眠そうにベッドから起きる。

Tシャツに半ズボンといった至ってシンプルな服装を着た彼女は自分の起きたあたりを見回した。

「。。。ここは一体どこ？」

彼女はどうやらある部屋にいた。

その部屋にはバンクベッドが２つ、普通のベッドが２つあり、机、窓、浴室などがあった。足元には小豆色の少し肌触りの悪いじゅうたんが床を覆っていた。彼女が寝ていたベッドのそばには薄い青色のリュックがおいてあった。

リュックについていたベージュのタグにはこう書いてあった。

『HIKARI　ARATA』

「アラタ。。ヒカリ。。？私の名前かな。。」

ヒカリはそれを確かめようと、リュックを開いて中を覗いた。

中には半透明の水の入った水筒、虫除けスプレー、濃いピンクのハンドタオルに、ノートブック、ボールペン、英語のロゴが入った帽子と、日焼け止めや消毒液などが入った化粧ポーチが入っていた。

どれも彼女には見覚えがあった。

「どうして私はこれを持ってたんだろう。。そして、ここはどこ。。」

見覚えがあるものがあっても、その場所が思い出せない。

ヒカリはまず部屋に何か他のものがないか、あたりをもう一回見渡す。

家具以外は何もない殺風景な部屋は、やさしい色の電気で灯されている。網戸付きの窓の外は、広く明るい青空が広がっていて、綿菓子のような雲が点々とある。見るところ建物の２階にいるようだった。

「外がある。。！」

ヒカリはとりあえず外に出てみようと、ドアを開け部屋の外へ出た。

静かに開いた薄焦げた茶色のドアを開くと、部屋と同じじゅうたんの廊下へつながっていた。

道は左と右に分かれていて、どちらがわにも部屋が幾つかあった。よく見ると、一つ一つのドアには、錆びた鉄の番号札がネジで打ち込まれていた。

自分がいた部屋の番号を確認する。

「９。。９号室か。。」

聞き覚えががあるようなないような、そんな曖昧な気持ちが心の中で漂っていた。

廊下には部屋と同じようなやさしい色の電灯が空間を照らしていた。９号室を出たところのすぐ前には、少し大きめな２つの扉が並んだ感じの扉があった。

ヒカリは中に入った。