軟派な王子様【完結】
「何してんの??」


「うん。今日は部活のちっちゃな打ち上げ。っていってもやる事なくてぶらぶらしてるだけなんだけどねー。」


香織の声がいくらか高い。
自然とため息が出る。


「いいわよ。二人で遊んできて。今日は目的もないし。」

「何言ってんのよ、一姫。」



焦る香織の腕を引っ張ったのは増田だった。


「いいじゃん。せっかく遠藤がそう言ってくれてるんだし。」


香織の顔が一瞬ほころんだが、すぐに私の顔を見て我に返った。

「でっでも…。」

私は香織の背中を押した。

「行ってきな!!あたしのことは気にすんな!!頑張れよ。」



香織は行ってしまった。
ほんのり頬をピンクに染めて…
優しい目を増田に向けていた。

私は香織たちの姿が見えなくなるまで見つめていた。
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