軟派な王子様【完結】
土曜の朝は清々しいほどの快晴で、長く細い雲だけが空に道を作っている。




俺は車の後部座席に、色鮮やかな花束を詰め込んだ。
車の中に甘い香が漂う。




スーツ姿に身を包んで、車に乗り込んだ。



車に鍵を差し込んだとき、ポケットの中から携帯のメール着信音が鳴った。



『頑張ってくる!!』


それは一姫からだった。




「珍しい。」



俺は車のエンジンをふかした。





小さな武道館の割に、人ごみができている。

「へー結構すげーな。」



この時俺は少しだけ、まだ一姫たちの演奏を見くびっていたんだと思う。


たかが高校生の音楽演奏会だと…。

緊張はしているものの、足が軽快なのはそのせいだ。
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