モテるんは俺の趣味やっ!
ぼんやりと順番を待っていると、後ろから突然、ぽんぽんと肩を叩かれた。




振り向くと、同じ学科のユナが立っている。





「ミサキ、やっほー」




「おはよ」





ユナはこの肌寒いのになぜだかピンクの浴衣を着ていて、隣には同じく紺色の浴衣を来た背の高い男が立っていた。



その手には、わたあめと唐揚げとイカ焼き。


ユナの頭にはセーラームーンの仮面、彼氏らしき男の頭にはひょっとこの仮面。





「………ずいぶんエンジョイしてはるようで」





あたしが言うと、ユナが可笑しそうに笑った。






「当たり前やん、学祭なんやから!!


おかしいんはミサキのほうやで。


なに一人でぽつんと並んどんねん!」





「いや、お腹すいたから、なんか食べよ思て」





「ここの焼きそばイマイチらしいで?


あっちのバレー部のんがおいしいて聞いたけど」





「あー、ええねん、あない行列できとったらめんどいもん」





「もー、冷めとんなぁ!!


せっかくなんやから、友達とか彼氏とかとおいしいもん食べて楽しまんかい!」





「余計なお世話やっ!!」






ユナはからからと笑いながら、彼氏の手をとって立ち去っていった。






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