黒うさぎからの招待状
五人目
朝。
―カタンッ…!…ヒタ…。ヒタ…。
「っ?!」
妙な音で目が覚めたアタシは、ベットから身を起こして、部屋の中を見渡した。
「何?!今のっ…!」
「ん?珠璃、どうした?」
先に起きていて、ベットの布団をたたんでいた賢也が、アタシの隣に来て言った。
「音…、聞こえなかった?」
「音?」
―ヒタ…!
「ほらっ!また…!」
「聞こえた…。」
「本当っ…?」
「こんな時に嘘つくかよ…。」
―ヒタ…!
「あ…!この音…!」
「聞き覚え、あるのか…?」
「あの子の足音…。」
夢で何回も聞いた、足音。
―ヒタ…!
「ねぇ…。」
「あ?」
―ヒタ…!
「音、近付いて来てない?」
「…外見てくる。」
賢也はスッと立ち上がって、ドアノブに手をかけた。
―ヒタ…!
音は容赦なく近付いて来る。
「開けるぞ…。」
―ガチャッ!
賢也がドアを開けた。
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