黒うさぎからの招待状
「何をお求めで?」


暫く固まっていたアタシは、エレナさんの一言で、我にかえった。


「あ…、えっと、その…」

「『本屋だと思って入ったら、魔法堂だった』?」

「…はい。どうして分かったんですか?」

「ここに来るお客様の殆どがそうだからです」


エレナさんはため息をつきながら言った。


「…あれ?林檎は…?」


アタシは今になって林檎がいない事に気が付いた。
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