リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「どうかな?変じゃない?」


4月1日。

待ちに待った入社式の朝、私は家を出る前に後ろを振り返って母に聞いた。


「変なわけないじゃない。バッチリよ!」


笑顔でそう言ってくれた母を見ると、緊張していた気持ちが少しだけ和らいでいく。


「じゃあ、いってくるね」

「うん。いってらっしゃい」


玄関先まで見送ってくれた母に手を振りながら、私は足早に歩き出した。


就職が決まってから今日を迎えるまでは本当に入社できるのかな?とか、やっぱり……なんて連絡がきて取り消されないかな?とか。

毎日がいつも不安だったけど。



やっと……

無事にこの日を迎えることができた。


ついに今日から私は、社会人になる。

青山商事の社員として、記念すべき第一歩を踏み出すのだ。



……しっかし、すごい人混みだな。


駅に着くと、やたらと混み合う朝の通勤ラッシュに、私はまず圧倒された。

これ以上は乗れないって!と思っていても、乗るわ乗るわのぎゅうぎゅう詰め。

こういうのにはまだ慣れていないからか、電車の中では人混みに揉みに揉まれ……なんだかずっと息苦しかった。

だけど、何だかふと都会の社会人としての朝を感じられたような気がして。

これから毎日こんな朝を繰り返すのかな……なんて。

そんなことを思うと気が滅入るような気もしたけれど、きっとそのうちこんな慌ただしい朝にも慣れていくんだろう。




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