リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



入社式が行われるのは、二階にある大ホールだ。

広々とした階段を登り、一歩ずつ気を引き締めながら上がっていく。

幸い私と同じタイミングで二階へあがった人たちがいたので、お互い緊張した表情を浮かべながらも、目が合うと会釈を交わしたりすることができた。


入社式が行われる会場の入り口には先輩社員の方々が数人立っていて、キョロキョロする私たちを優しく会場の中へと案内してくれた。


それからは、あっという間だった気がする。


「それではこれより、平成28年度、株式会社青山商事、入社式をとり行ないます。一同“起立”」

そんな司会者の方の言葉から始まった入社式は、まず最初に社長の挨拶。


それから先輩社員の方の祝辞。


その次は辞令交付が行われ、司会者の人が各部署の新入社員の代表者の氏名を読み上げ、氏名を呼ばれた新入社員は「はい」と大きな声で返事をしながら社長の前に進んでいた。


私が配属されるIT企画推進部の代表者は、名前はよく聞き取れなかったけれど、体格の良い男性だった。

代表者の人たちは、それぞれ会社の一員として正式に認めるという書面を受け取り、ついにこの会社に入社したんだという実感からか、緊張していた顔にはみんな笑顔が浮かんでいた。

もちろん、新入社員の一員である私もホッとしていたけど。


そして式は役員紹介へと続き、総務部長からはまず、役員の紹介があった。

その後は、各部署の部長紹介。


「それでは、今からは皆さんの上司となる、各部の部長紹介をしたいと思います」


総務部長のその言葉で、舞台上には十数人の男性が上がっていって。


その中にはあの双子、青山兄弟の姿もあったからか、私の心臓は一気にドキドキしていた。

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