リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜



「こんにちは大月さん」

「あっ、どうも…」


昼下がりのジムの受付カウンター。

いつものように会員証を提示すると、受付の女性スタッフさんは私を見てニコッと微笑んだ。


「こちら、ロッカーの鍵です」

「あ…ありがとうございます」


やたらと笑顔でこっちを見るから、私もニコッと笑顔を作りながら鍵を受け取った。


そして、いつものように更衣室へ向かおうと歩きだした…はずだったけど。


「あの〜、大月さん!」


すぐに後ろから聞こえてきた声で足が止まり、くるっと振り返ると同時に受付にいる女性スタッフさんと目と目が合った。


「えっと…どうしました?」


私は言いながら受付カウンターの前にとりあえず引き返した



「あのっ、えっと……」


「はい」


「その……大月さんと健太さんって昔からの幼なじみなんですよね?」


んん?

なんだか気まずそうに口を開いた彼女はそう言って私を見つめる。



「はい、幼なじみ…ですけど」


よくわからないけど、ひとまずそう答えてみた。


すると、受付のカウンターから少し身を乗り出してきた彼女は小さな声で私に言った。



「あの…急にこんな話をするのはアレなんですけど……」


アレってなんだ?


「わっ、私…健太さんのこと何ていうか…いいなって思ってて…」

「えっ?あっ、はい……」

「健太さんって、その、付き合ってる人とかいるんでしょうか?」


……付き合ってる人?


「や、多分…いないと思いますけど。多分ですよ?幼なじみっていっても、あいつの恋愛の話とかあんまり聞いたことなくって」


「そうなんですか…。すいません、なんか突然変なこと聞いちゃって。あっ、健太さんには今の話、内緒にしててもらっていいですか?」


「あぁ…はい。内緒にしておきます」


私がそう答えると、彼女はホッとしたような表情で私にぺこっと頭を下げた。


< 87 / 407 >

この作品をシェア

pagetop