クールで不器用な君。
部屋に入るとアイツは勉強をしていた。
あぁ、課題ね。
ベッドの上に座ると、アイツの後ろ姿を眺めた。
「あのさ、そんなに見られると集中出来ないんだけど........。」
「ふーん。で?」
「で?じゃないんだけど。」
若干キレてるな、これ。
「あ、そうそう。藍にいい知らせがある。」
「........なに。」
「瑠璃姉が寝言で『藍』って呼んでた。」
「........そ。」
相変わらずの無表情。
態度では表さないけど、多分内心喜んでんだろうなぁ。
だってその証拠に、良く見ると目が少し泳いでる。
ポーカーフェイスな藍の表情ですら読めてしまう僕はどうなんだろ。
まぁ、昔から周りを察したり空気を読んだりすることは得意だったんだけどね。