クールで不器用な君。

テストと駆け引き




テストまで残り一週間になった今日。




勉強をする人はする、しない人はしないという教室の雰囲気。



授業合間、裕美ちゃんは後ろを向き、私と
お喋り。



「瑠璃〜、あたし勉強とかしたくなーい。」



「でも、勉強しないで赤点とった後の追試の方が嫌じゃ無い?」



それに、追試だけじゃなくて夏休み中の補習にも呼ばれるらしい。



「うーん、やっぱその方が嫌ね…。」



「そうそう、だから勉強して、いい点とらなきゃ。」



「なら、皆で勉強会でもしない?」



勉強会…か。


分からないところとか教えあえるしいいかも。



「うん。いいね。あ、でも誰誘う?」



「そりゃあ、主席で学年1、頭の良い七瀬を呼ばない訳が無いでしょう。まぁ、あとは佐伯も仕方なく呼ぶことにするわ。」



なんか雄太くんおまけ扱いになってる。



ちょっびり可哀想かも。



でも、何だかんだ佐伯くんのこと良く思ってるんだなぁ。



「そうだね。」



「ってなわけで七瀬、明日勉強会するから来なさいよ。場所は瑠璃の家ね ♪」



ダルそうな表情をしながらも彼は頷いた。



これは七瀬くんなりの返事。



でも…私の家?



七瀬くんと一緒に住んでるってバレちゃうんじゃ………



一瞬血の気が引いた。




「瑠璃、あとで佐伯にも言っといてね。あいつ瑠璃に言われたら絶対来ると思うしね。」



「あ、うん。了解です。」
< 41 / 269 >

この作品をシェア

pagetop