それでも僕は君を離さないⅡ
「奈々は横浜だろ?」

「生まれだけで育ちは千葉なの。」

「南国千葉ね。房総?」

「残念ながら千葉市内なの。でも九十九里まで車でそんなにかからずに行けるの。」

「ふ~ん。」

「子供の頃家から水着で行って水着のまま帰ってきたのを覚えてる。」

「外房は波が荒いんじゃないのか?」

「うん。白い波ときれいな貝殻が印象に残ってる。」

「うらやましい。清水は港だから。」

「海岸線がずうっと続いていて、右も左も海なの。」

「わかる。」

忍さんはワインでパスタをお腹に流し込んだ。

「どうしてワインなの?」

「パスタに合うだろ?」

私は納得できなかった。

「私を酔わせる魂胆なのね?」

「んなわけないだろ。酔わせなくても俺なら説得できる。」

「そうなの?」

「そうさ。」

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