仲良し8人組
布団を捲り上げたそこにあったのは、紛れもなく真っ赤に染まって白目をむき、動かなくなっている勝也だったのだ。
グレーのシーツに広がる赤黒い染み。
腹部に何か鋭いナイフの様な物を数回突き立てられているからか、その腹部はぐちゃぐちゃとした肉の様なものが露になっている。
腹部から流れ出る血はまだ赤く固まっていないのか、未だにじわじわとシーツへ広がっていく。
「か、勝也!おいっ!目ぇ開けろよっ!」
亮介が勝也の肩を掴み軽く揺するが、当然ながら勝也は動かない。
「まだ、……こんなにあったけぇのに、……何で起きねぇんだよ!」
勝也の首もとへ手を添えた亮介の目がじわりと涙が滲んだ。
「亮介」
ひなは亮介の手の上に少し震える自分の手を重ねると、ゆっくりと首を横に振る。
もう勝也が起きる事はないと。
そんな意味を込めて。
勝也の肩を掴んでいた手を亮介が離すと、そのまま手の上に乗せられたひなの手を自分の手でそっと包み込んだ。
「わりぃ。……俺、……今すげぇ動揺してる。……でも、それはひなも同じなのにな」
「わ、…私は……」
亮介の言葉にひなが吃る。
確かにひなも勝也が殺されているのを目の当たりにして動揺している。
が、亮介程ではない。
ひなは、勝也が殺されているかもしれないと思ってこの部屋に入って来たのだから。
3年後の世界で存在そのものがなかった勝也。
今、目の前で血で真っ赤に染まって死んでいる勝也。
存在しなかった者は死んでいる。
その仮定は間違いなく正解だということだ。