月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
わずかに物思いにふける麗音には聞こえないくらい小さく早く、景周は呟いた。
言い聞かせる対象は自分のように。
景周になんと言ったか訊こうとしたが、それより先にその双眸(そうぼう)がらんと輝いた。
――獲物を見つけた猛禽類のような強さ。
「さて、取り敢えず君には――涼音に相応しいくらいには強くなってもらおうか」
「……はいっ」
……それは、涼音の傍に在ることを認めてくれる言葉だった。