月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「………」
祖父は麗音が気に入ったようだ。
表面的には『あのガキ』とか『全くなっとらん』とか言っているが、ほぼ毎日『今日は来ないのか?』と訊いてくる。
(邪険にされるよりはいいけど)
見事に涼音の家族公認の友達だ。
学校での涼音の周りも落ち着いている。
……男子扱いも、終息はしていないが、騒がれ過ぎてもいない。
麗音に出逢う前の学校生活のようだ。