愛してるの一言で。
✲第六章✲

渚奈の秘密






そして花咲の進むがまま
ついて来た俺は

現在、『ナルシェ』という喫茶店にいた。



店内は白と茶色で統一されていて
壁の所々に海や空の絵が立てかけられていた。


キラキラと光っていたのは
机の上に練りこまれていた貝殻とビー玉らしきものだった。



どうやらここは穴場らしく
客は少なかった。



(今度、伸也でも連れてきてみっかなあ。
あ、でも伸也はこの店に合わないか笑
追い出されちまうわな)


そんなことを考えてると「何、ニヤニヤしてんのよ」と花咲が嫌そうな顔をして話しかけてきた。


「うるせえな..ニヤニヤなんかしてねえよ」


「いや、してた。すっごいニヤニヤ。
変態?もしかして。変態男なの?
あたしのこと襲わないでね。」


ツンとした態度で花咲は言う。


「馬鹿か...。
だいたい、お前なんか興味ないから
襲う~とかありえねえから。ほんと。」


「それはそれで最低」


「じゃ、どーすりゃいーんだ、ばかたれ」



...なんか、こいつ...
おもしれえ...。



見た目はゆるふわボブヘアーで
まつげが長くて、奥二重だけどおっきな目。
背は小さめだし、性格は小動物的な天然のような...っていうイメージだったけど
全くちげえ。

攻撃的な、まるで
女王蜂だ。



今まで会ったことないタイプ。



「お前、もてないだろ?」


「はぁ?なに?さっきあたしが言ったこと根に持ってやり返すつもりなわけ?」


「彼氏いねえだろ?」


「...むかつく...。
なによ、いないけど何?
これでも最近告られたんだっつーの。」


「なんで断ったんだよ?
あ、ブスだったみてえな...?」


「違うし。全然違う。全く違う。」


「じゃ...なんだよ?」


そう俺が聞くと
花咲はお冷をすすった。


そして視線を伏せがちに
こう答えた。


「好きな人がいる...」


「へ?冗談?」


「なによ、好きな人がいちゃ悪い?
あたしだって乙女チックに片想いだってすんのよ。」


「いや...悪いとか言ってねえけど。
こくんねえの?」


「...あたしの話はまた今度でいいでしょ
渚奈の秘密、聞きたいんでしょ。
気が変わんないうちに早くそっちの話
すすめるよ。」


「......ああ、うん。」


俺はあいまいにこたえた。

別に聞きたいわけじゃ、ない。


でも何か掴めるかもしれない。


何か一つでも
この違和感を少しでも
無くせれるなら、何でもいい。


そう思った。


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