五つの顔を持つ私
返事も聞かずぞろぞろと入り込んできた幹部達は私がボコられると思っていたらしく、無傷でいるのを見て、驚いたように目を見開いた。
「どうしましたか?」
「薫、これは…」
「ああ、この子ね。気に入っちゃった。姫にしていいかな?」
は…?
「「「はぁ!?」」」
「あ、ありえない…」
「いつもならとっくに…」
「おい!!お前!!薫に何した!!どうやって薫に入れ込んだ!!」
はぁ!?失礼な奴だな。私何もしてないし。
こっちが聞きたいくらいだわ。
「ちょ、ちょっと待ってください」
私こんなの聞いてない。
「どうゆうことですか」
私は馴れ合う気はないとはっきり言ったはずだ。
それに姫ってなに?
全く状況が掴めない。
「薫、どうゆうことだ。ちゃんと説明しろ」
「だからぁ~気に入っちゃったの。この子のこと。別にいいじゃない、私だって二人目の姫が欲しかったの」
まるで物のように…て、え?
「二人目!?」
「うっせぇな、黙れよブス」
「あ、はい…」
全くこういうときにも暴言…。
「それともなに?私のお願いが聞けないの?」
座ったままの薫から上目遣いで睨まれ、萎縮してしまった男達。
おい、仮にも全国1の幹部達が姫に逆らえないってどうゆうことだ。
さすが世界レベルの殺し屋というところか…。
「わ、わかった…」
ええ~そこは総長、ちゃんと断ろうよ。
「あなたもいいでしょ?」
こうなった以上私がキッパリ断らないと。
決定事項にされちゃたまったものじゃない。
「お断りします」
まさか断られるとは思ってなかったらしく、私以外の部屋の中にいる全員がポカンとしてる。
「な、なんで…」
「私、仲間なんていう遊びに加担しているほど暇じゃないんで」
「あ゛あ゛!?んだと!?」
「調子こいてんじゃねぇぞ、ブスのくせに」
「さっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって」
「仲間がお遊びだと!?」
「てめえには一生かかってもわかんねぇよ。仲間の大切さや、ありがたみなんてよぅ」
わかりたくもねぇよ。