MAGIC OF FRIDAY
仕事に行っている間に家に女を連込まれるなんて。
笑えない冗談が私の心に突き刺さる。
そんな中、目の前の彼――樹生は言った。
「侑奈、俺、結婚するんだ。だから、別れてほしい」
全く……悪びれることもせずに。
「最低」
私はそう呟いて、彼の頬に一発ビンタを入れたらしい。
私の目前の状況から行くと、そういうことなのだろう。
無意識だった。
ふと涙がつーっと落ちた気がして床を見ると
視界が揺れている中に沢山の雫が落ちているのが見えた。