雨の中の君
言われるままに目を閉じた。
「ごめんな」
と、言って雫はわたしの口にそっと口を合わせた。
冷たくて、優しいキスだった。
「真琴。俺は消えるけど、これが最後じゃない。きっとまたどこかで会えるから」
「うん..。待ってる。わたし絶対見つけるから!」
わたしが泣きながら言うと雫はまた、嬉しそうに笑って消えてしまった。
わたしはそこに座って、ただ泣くしかなかった。
胸に、お気に入りの傘を抱いて。