マルメロ

15対7――。


各クラス委員合計18票――。


生徒会執行部――書記、会計、副会長、そして生徒会長の計4票――。


総数――22票――。


当日の欠員――なし――。



動議案は、可決された――。


琴音副会長の「演説」の後、すかさず書記が投票用紙を配布し、賛否を記入、回収、開票――それらの工程さえも、「芸術」と思える様な淀みない執行部の振る舞い――。




「生徒会の意思は示されました――週明け月曜日の1時限目に臨時生徒総会を、大講堂にて開催します――教員への報告及び準備に関しては、私達執行部が行いますので、皆さんはこれで解散して頂いて結構です――」



「あぁ、それと――土日と週末を挟む訳ですが、互いに妙な腹芸はしない様に――」


席を立ち、帰りかけの各委員達にミレイが言うと、「腹芸」の意味を問う視線が生徒会長に集中する――。





「小細工は、意味をなしませんよ――わかりますね――」


未だ席を立たず、絶対君主である威厳を放出しながらも、坦々とした眼差しで見上げ、ミレイが忠告した――。


その淑やかさが、凄みを加速させる――。

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