メガネのヒメゴト
二人の誕生日はもちろん、クリスマスになると決まってデコレーションケーキを買っては、切るときは二人で結婚式のケーキ入刀ごっこをしていた。


「いつもしてるだけど、楽しい?」


「うん」


「そっか、それなら別にいいか」


大きいのはあなたに、小さいのはわたしにケーキを切り分けていった。


「大学を卒業したら、一緒に暮らすんじゃなかったっけ」


「そんなこと、いったっけ、オレ?」


はぐらかすように、ケーキを口に頬張っていた。


「抱いてくれたとき、そういってくれたよ」


「それって、プレッシャーかけてるんでしょ?」


何もいえず、ケーキに乗せられた真っ赤ないちごを口にした。



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