君のとなり

「あのね、まず瞬君とはなんもないよ。ただの幼馴染ってだけ」

ゆっこはじっと話の続きをまってる

ゆっこに言ったらどーなるんだろう

私がいなくなるって聞いたら泣いてくれるかな?

私はゆっこと会えないと思うとすごく悲しい

「私ね、もともと身体は弱かったんだけど、このまえなんか変な感じがして病院に行ったら……その、ガンって言われて」

「っ…」

「自分が死ぬなんて実感もないし、よくわかんなかったけど、コウと離れなきゃって思ったの」

「凛…」

「私はコウに幸せになってほしい。たとえ一緒に居られなくても、コウが幸せなら私も幸せ」

「そんな…」

少しじめっとする生ぬるい風が頬をかすめる

屋上のフェンスにもたれながら青い空を見つめた

「そんなの、だめだよ…」

「ゆっこ?」

「じゃあ凛は!?凛はどうなるの!?そーやって…コウ先輩のことばっか考えて…それじゃ凛が…」

ゆっこの綺麗な茶色の目から涙がこぼれた

ぎゅっ

「私は凛が大切なのっ…」

「ゆっこ…」

じわっ

嬉しい

ゆっことしばらく抱きあって泣いていた

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