SS
出会ったのは、中学2年。


俺と彼女は違う中学だったから、接点はなかった。




彼女が、俺の父親が経営する施設に見学実習にきたときまでは。




たまたまその日、姉に連れられて俺もその施設にきていた。


そのとき、見学実習に来ている中に、俺と同じ塾に通っているやつがいて。


そいつはその祖父が、市長していたことがあるとかいうやつで、それを自慢してるところが好きになれなかった。


オマケになぜか俺を敵視していて、ことあるごとに張り合ってくる。


そんなことありめんどくさかったので、なるべく関わらないようにしていた。




だが、今回の見学実習も態度が悪くて。


祖父が市長だったということをおおっぴらにし、取り巻きもそいつを持ち上げるもんだからさらにつけあがって。


「こんなとこ、わざわざ来る必要ねーのになぁー」


とデカイ声で話すもんだから、「こんなとこで悪かったな！」と言ってやりたい気がしたが、関わるだけアホくさいのでほっとくことにした。

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表紙・目次

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