かすみ
いつも気分が悪くなる。
いつも。そう。
でも、いつからだったっけ。
こんなに自分を嫌いになったの。
わかんないなぁ…。
………。
佳菜「…早く消えればいいのに。」
そういって自分の腕を慣れた手つきで切っている。でも何度やっても死ぬことはない。
切っても切ってもいつも死ねずにいる。
またこうやって1人窮屈な部屋でリストカットをしてる。

ドンドンッ

佳菜(またあいつか…、うるさいな。なんでいつも来るかな。)

洸介「おいてめぇ!さっさと出てこいや!」

ヤクザみたいにほざいてるこの男は、実は、てか認めたくないけど私の彼氏。

洸介「まぁたリスカか!?は?お前本当バカなの?そんな事する意味がわからんわ!」

佳菜「…うるさい」
洸介「あぁ!?今なんつった!?」
佳菜「うるさいっつってんの!」
佳菜(やばい、リスカした腕とカミソリとか隠さなきゃ。)
そういって腕からつたう血を拭くためにティッシュを探してた。のに。

ガチャッ!!
洸介「おい。」佳菜「おいじゃねぇよ。」
洸介とは毎日一緒に大学へ行っている。
行くときはいつも迎えにきてくれてるが
勝手に女の子の部屋にズカズカと入り込んでくるとはマナーのなってない野郎だな。

洸介「!!」
洸介「やっぱりリスカしやがってる。」
佳菜「洸介には関係ないでしょ。あと勝手に入ってこないで。」
洸介「お前さ、本当は生きたいんじゃないの?」
佳菜「…はぁ?馬鹿なこと言わないで。」
洸介「なんで?」
佳菜「なにが」
洸介「…なんでリスカすんのか。」
佳菜「別にいいでしょ。ほっといて。」
洸介「そう言って、お前いつもほっといたら病むだろ。」
佳菜(うっ…。図星…)
洸介「図星か。」
佳菜「別に?」
洸介「そっかー」
佳菜「…」
私は血だらけの腕を拭いていた
じわりじわりと後から痛みが襲ってくる
もう慣れたけど痛いもんは痛い。
洸介「親父さん、心配してるぞ。」
佳菜「なんでよ。」
洸介「お前が自傷行為してるから。」
佳菜「あっそ。パパには関係ないし。」
そう。別に直接迷惑掛けてるわけじゃない。
洸介「佳菜。」
佳菜「なによ。」
洸介「大切な家族なんだろ。心配かけんなよ。」
あなたに何がわかるの。そう思いながら、大学に行く準備をした。
洸介(本当に心配なんだよ…)
佳菜「準備できた。行くよ。」
そう言って大学へ向かった。
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