人生、やり直しませんか？

　「これからの事と、この家のことでしょ？」


　乃愛が目をまるくした。


　「どうして知っているの？」


　「学校で言ってたじゃん、乃愛ボケちゃったの？」


　笑いをまじえながら言ったはずだったのに


　「やっぱり…もうすぐなのね…」


　乃愛が儚い微笑みを浮かべた。


　「――…乃愛？」


　「なんでもないわ…。この家のことだけど、この家はどこにでもあるわ」


　乃愛の顔つきが元に戻った。


　「どこにでもある……？」


　「そう、ここ人間界でも天界でも魔界でも…この家はあるのよ。どこにでも、いつもあなたのすぐ側に―…」


　私のすぐ側に？