First Letter〜1年間の夢物語〜



「なに笑ってるの?」


「莉子の単純さが面白くって」


莉子に聞かれたらめんどいことになるかもしれないから、昂哉に耳打ちする


「あーまたお二人さんらぶらぶしてるー!」


「「してません!」」


全く…

この2人はなにを勘違いしてるんだろう?

私と昂哉はただの友達なのに。


ただの友達……?

なんでだろう。
何か物足りない様な…

変な気持ち…


「とりあえず、今日はここで解散ってことでいいよな?」


朝集合した場所まで戻って来ると、拓斗が莉子の手を握る


この2人、今からデートにでも行くつもりかよ…


昂哉も同じことを思ったのか


「はいはい。さっさと行けよ」


拓斗の背中を押す


「ごめんね瑠昂。昂哉と仲良くね」


まだ変な勘違いしてるのか、私にだけ聞こえる声で耳打ちする莉子に呆れてしまう。





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