今日も君に翻弄される。
「和泉くんの学校もうすぐ文化祭だよね?」

「うん。来る?」

「行ってもいい?」


……一緒に回れたりするかな。


そう、そっとつけ足して様子を伺ってみたのは、やっぱりちょっと悲しかったから。


件のコンテストはとっても高評価で、無事一次審査を突破したらしい。

さすが和泉くん。


だから、二次審査の準備があるとはいえ、ほんのちょっと日程に余裕がある。


和泉くんさえよければ、という前提はつくけど、少しくらいなら一緒に回れなくもない。


どうせ夕方の点呼まで校内にいなければならないのだから、暇つぶしにわたしと回る時間を作ってくれるかもしれない。


わたしの期待を込めた眼差しを受けて、和泉くんは軽く思案した。


「ちょっと待って、シフト確認するから」

「うん!」

「(というか全部だから空けないと)

 ごめん、時間かかりそうだから、あとで連絡する」

「分かった」


わたしとの会話を優先してくれるのは、わたしにとって嬉しい和泉くんの長所。


いつもみたいにお馬鹿な話を披露すると、和泉くんは珍しく、声を上げて笑った。
< 206 / 261 >

この作品をシェア

pagetop