ねぇ、キスして?
「ねぇ、祐??手、つなご??」
本当は、自分からは言いたくなかったけど。
誰かに取られちゃう気がしたから。
“いいよ”
そう言ってくれると、信じて。
「なんで?結衣。暑いじゃんか。」
暑さに負けた、私。
目の前にある建物が、お化け屋敷なのに。
「…そっか。そうだよね!!」
私は彼を引っ張ってお化け屋敷に向かう。
私の顔が、彼に見られないように。
きっと、ひどい顔をしているから。
だけど、視線を感じた。