生贄七人、ながし雛
「うちね、お父さんの妹……叔母さんが行方不明になってるんだ。三月三日に」
「……嘘でしょう……」

 何故か彩佳が顔色を変えたけれど、あゆみちゃんは気にしていないみたいだった。

「昨日の夜ね、夢を見たの。写真でしか見たことのない叔母さんが『助けて』って、私のことを呼ぶの」

 それを聞いた私は、背中が冷たくなるような気がした。私も、似たような夢を見た。比奈子が「助けて」って私のことを呼ぶ夢。

「気のせいかもしれないけど、比奈子ちゃんのこともあるし、ひょっとして、関係あるのかなって……」

 そう言ったあゆみちゃんは涙目になっていた。

「お父さんが言ってた。ずいぶん探したけど見つからなかったって……もし、比奈子ちゃんがそんなことになったらどうしよう……」

「……私、言ってなかったことがある」

 真っ青になった彩佳が口を開いた。
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