グッバイ・メロディー

というかそもそもこうちゃんって、女の子としたい、みたいな。

少なくとも興味ある、みたいな。


そういう欲望を、人並みくらいにはちゃんと兼ね備えているのかな？


ちょっと想像してみてもぜんぜんしっくりこなくて、背骨がぞわぞわした。

そして、アキくんとみちるちゃんのイケナイコトよりも、なんだかもっとダメなことを考えてしまった気がして、おかしな罪悪感がむくむく育ってしまった。


このあとどんな顔をしてこうちゃんに会ったらいいんだろう。


「バカにしてるとかじゃなくってさ」


声をワントーン落ち着かせたみちるちゃんが、ふうっと、大きな白い煙を天井にむかって吐いた。


「ほんとに大事にされてんだなあと思って感心しちゃったわけ。そこらへんはちゃんとわかってあげてよ？」


自分の意思とはちょっと違う場所で、勝手に首が縦に動いたような気がする。

だってそれは、誰に言われなくともきっと、ずっと、どこかで知っていたことだった。