不機嫌な彼のカミナリ注意報
「人にしょっちゅう“バカ”って言うくせに。藤野くんが緒川さんに気があることも気づけてないのに、笹岡くんが好きだとか変な勘違いしてるバカはどっちなんだかね」

 その突っ込みに思わずクスっと笑ってしまう。
 たしかに、これをなにかの勝負だというのなら瀬戸さんの勝ちだ。

「風見くんね、絶対私のチームにあなたは渡さないって。あなたが居ないとダメみたいだわ。……あんなヤツだけどよろしく頼むわね」

「え……はい……」

 私が今度は勘違いしそうになる。
 私がいないとダメって……仕事上は、って意味なのに。

「今日もね、私があなたを無神経に傷つけないように心配でついて来たのよ」

「え……」

「いつも不機嫌で仏頂面で俺様なのに、そういうやさしさは持ってる男だからね」

< 265 / 303 >

この作品をシェア

pagetop