不機嫌な彼のカミナリ注意報
「バカだな、お前は」

「……すみません」

「アホすぎる」

 次の瞬間、私は風見さんの広い胸の中にすっぽりと収められていた。
 なにが起こったのかわからないから、目は見開き、体は硬直したままだ。

「許してやるよ」

「……え?……」

「お前だけは、俺に惚れてもいいって言ってるんだ」

 ギュッと抱きしめられていた力が緩まって、視線が合うと風見さんがやさしくふわりと笑っていた。

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