不機嫌な彼のカミナリ注意報
「え?! ほんとですか? 本当にいいんですか?」

「ああ。但し、愛想よくできる自信はないけどな」

「それはハナから期待していませんけど……」

「ふざけるな。俺だって普通の社会人だ。ちょっとくらいそういう付き合いはできる!」

 お昼休みが終わる頃、自動販売機のある休憩スペースには私と風見さん以外誰もいない。
 ベンチの真ん中に堂々と腰をおろし、風見さんは缶コーヒーを口にしている。
 その脇に立って見下ろす私に対し、視線だけを上にあげた。

「じゃあ、早速返事しちゃいますよ? いいんですね?」

「しつこいぞ」

 私はその場でスマホを取り出し、LINEで今夜OKと返事をした。
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