鈴姫伝説





「もうすぐ、着く。


そこだ……」



真っ暗な視界の中、どこからかエクの声がした。


安心感が胸の奥に広がって、ほっと溜め息が出る。



よかった……これは現実!




途端に辺りが明るくなっていく。


白い光が闇の中に射してきて、埋め尽くした。




「…………!!」




あまりの眩しさに思わず目を瞑ってしまう。



それでも光の強さは変わらず、両腕で顔を庇った。



「ここだ……」



再びエクの声が聞こえた。



その優しさに釣られるように、そっと瞳を開いた。




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