鈴姫伝説



あたしは立ち上がると、女神を睨んだ。





彼女も、ピンクがかった紅色の冷たい瞳であたしを見る。






少しの沈黙。





その瞬間、あたしは両手を前へつきだした。






手のひらに霊力を集中させる。





すると、黄金色の霊力は大きく渦を巻いて、女神を囲んだ。







「う、わあああぁあああ!!!!」






女神が、悶えながら、絶叫する。





霊力をたくさん注ぎ込んだから、少し身体がダルくなったけど、そんなのは気にしない。





しかし、女神が全身に力を込めると、渦は霧になって消えてしまった。






「うそ……」





「こんなの、きくか」






ニヤリと女神は薄く笑いをこぼす。




そして再び、さっきと同じ大きさの雷の球を作る。





今度は両手に……。





一気に二つの雷の球ができあがった。






「今度こそ、消してやる!!」





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