人喰い人
何も言えない
次の日の夕方

吉山[何してる?]

メールが届いた。

渚[家にいる。]

そう返信するとすぐに返事が来た。

吉山[今すぐ家来て!渚に会いたいって人いるから]

嫌な予感がした。
あまり乗り気ではないが吉山の家に向かった。
N1は俺の家に置けないから吉山の家に置いたのでチャリで向かった。
すると吉山の家の前に三段シートの付いた大きい黒のバイクが止まっていた。
家の前で吉山に電話をすると玄関が開いた。
ドアを開けたのは金髪の鼻ピの空いた女の子だった。

女の子「あ、渚くん?覚えてる?私小学校いっしょだったんだよ?」

渚「悪い。覚えてないわー、ごめんね。」

ひどーいっ

と言った後奥から笑い声が聞こえた。
その子の名前はなつみといい、小学校が同じらしい。
その時はすっぴんで本当どこにでもいるギャルと言うような感じだった。
部屋に入るとベットに吉山。
手前に明らかに年上の男が2人。
そして、ギャルが2人。
1ルーム6畳の中にこの人数はきつかった。

渚「こんちわーっす。」

とりあえず、年上の2人にそう言った。
そうすると1人が、

男「先輩に挨拶する時はお疲れ様ですな。」

と、俺に言ってきた。
そして、俺は改めてお疲れ様です。と小さく言った。

吉山「アウトバーンの次期頭のヨシオくんとその友達のアキラ先輩!
昨日の話したら渚と話したいって!」


やられた。と思った。
どこのチームにも属してない俺がアウトバーンに入るやつと盗んだ原チャで遊び回ってたなんて不良からしたら勧誘のいい理由だ。
俺の読みは当たった。

ヨシオ「初めまして。渚くんだよね。
吉山から話聞いてるよ。昨日原チャで遊んだんだって?アウトバーン入りなよ。
毎日そんなことしても褒められるよ笑」

こう明るい口調で話しかけたヨシオさんは笑顔だったが確実に不良だとわかった。
何処かで会ったら目をそらすようなオーラを放ち、身長は俺より低かったが筋肉が凄く、一目見て負ける気しかしなかった。
手の甲にはタトゥーで文字が書いてあり金髪のパンチパーマ。
外にあるバイクの持ち主だと言う。
優しい口調と優しい目で俺を勧誘してきた。
吉山が提案したんだろう。
心の中で糞だと呟いた。
とりあえず俺は話をそらそうとした。

渚「外のバイクかっこいいですね!
何でいうバイクなんですか?」

ヨシオ「Z400GPって言うんだ。
アウトバーン入ったなら格安で譲るよ。」

ダメだ。
話がそらせなさそう。

渚「お誘い貰ったのは嬉しいんっすけど、まだ少し考えたいって言うか。。」

おれがそう言うと

ヨシオ「そっか。なら入るまでお前がぎった(盗んだ)N1、吉山のな。
ウチ(アウトバーン)入らないってことは真面目にやるってことなんだからさ。」

俺はバイクを取られた。
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