明日も晴れ
3. カラオケで、彼にぞわぞわ

ショッピングモールに隣接しているカラオケ屋さんへと移動。



さすが夏休み、やっぱり混んでいる。
それでも待たなくても入ることができたのは、今泉君のおかげ。



私が家に帰って着替えてる間に、今泉君が予約をしておいてくれたのだ。
こういうところは気が利いて、すごいと思う。



部屋に入ってからも、今泉君が慣れた手つきで操作してくれる。



あまり歌うのは好きじゃないから、今泉君が二、三曲歌って、私が一曲歌うペース。ドリンクを飲んでフライドポテトを摘まみながら、今泉君が歌うのを聴いてる。



今泉君は歌が上手い。
吹奏楽部だから、というのが少しは関係しているのだろうか。音感がいいというのか、マイクを握る今泉君に見入ってしまう。



あの華奢な肩にトロンボーンを載せている姿を思い出すと、きゅうっと胸が締め付けられる。



コンクールでは残念ながら入賞できなかったけど、来週から気分を入れ替えて練習が始まるのだという。
最後の舞台である文化祭に向けて。


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