初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

「西内?大丈夫?」



地面に座り込み、うつむいたままの砂歩に成は優しく声をかける。



あたしも砂歩の元に行こうとしたけど、うしろから色羽に腕を掴まれた。



「色羽?なんでここに?」



「いまは成にまかせとけ」



「でも……」



色羽の顔を見て、あたしは小さく頷く。



少し離れた場所から、成と砂歩を見つめた。



成は、砂歩の頭を優しく撫でる。



「泣くの我慢しなくていいよ」



「成くん……」



「西内は強い子だよな。でも本当は怖かっただろ?」



成の言葉に砂歩はうつむいたまま、頷いた。



「早く見つけてやれなくてごめんな。西内がいなくなったって気づいたのも華だった」



「ううん……来てくれただけでいい」



「あいつらに西内のこと傷つけたら許さないとか言って、いちばん傷つけてるのは俺なのにな」



いまの言葉って……どういう意味……?



「傷つけられたことなんて一度もない。そんなふうに言わないで……」



涙を流す砂歩を、成は優しく抱きしめた。
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