初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

「花火っ!?」



華の声が一気に明るくなる。



「そう。花火」



「やろやろーっ!わーいっ」



やっと、うれしそうな顔になってくれた。



「去年やった花火の残りって、まだ華の家にあったっけ?」



「あると思うけど、足りないかも。まぁ、買いに行けばいっか」



「うん」



「確か土曜日は、成もバイト休みだしね!今年も3人で花火やる季節になったんだねっ」



今年も3人で花火……。



「色羽?」



「あぁ、そーだな」



そう。俺たちはいつも。



3人一緒に過ごしてきた。



なのにどうして華は、成なんだろう。



俺だってずっと、華のそばにいた。



小さい頃からずっと華だけを見てきた。



誰よりも華のことが好きだって……



そう思うのに。



でも華が見つめるのは、



好きになったのは、



成なんだな……。
< 87 / 328 >

この作品をシェア

pagetop