俺様王子と2℃の恋
「じゃあ俺、助けに入らない方が良かったか?」

「え、どうしてそうなるんですか……」

「……だってそうだろ」

 ギュッと抱きしめていた腕は自然に力をなくし、私を覆うのは布団だけとなる。王宮さんはまだ後ろにいてくれているが、もう私には一切触れていない。

 そのまま彼は手を伸ばし、こっちに来る時に持って来ていたジュースを握る。プシッと爽やかな青リンゴの香りがした。
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