俺様王子と2℃の恋
4.ある二人の関係

1

「あ、雨だ……」

「バス亭近くて良かったな」

「本当ですね」

 バス亭は校門からさほど遠くない位置にある。走っていけば、ずぶ濡れになることはまずない。

「走れるか?」

「はい」

 遅いですけどね、と苦笑すると「ん」と言って王宮さんは私のカバンを取る。それはあっという間のことで、気づけば手が軽くなっていた。
< 53 / 319 >

この作品をシェア

pagetop