俺様王子と2℃の恋
 だから私はこう言ったんだと思う。

「あの、何でもします! お礼を、お礼をさせてください!」

「え?」

 その時、彼はとても驚いていた。だけど開ききった目はすぐに閉じられ「うん」と何やら考え込んでいる。

 あれ、まさか結構マジメに考えてくれてる?

「ジュースでもお昼ご飯でも、おごりますよ!」

「……」

 恩人が素直に要求を言ってくれるのは、
 遠慮なく本音を言ってくれるのは結構有難いものだと思う。

 だから彼の言葉を待ったのだけど…… 
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