俺様王子と2℃の恋

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「王子、ばいばーい!」

「……(はぁ)」

 迷った挙句、俺は帰ることにした。

 だって、筆記用具持参って時間がかかる内容っぽいし、木下からは何もメールが来ていない。

 なら答えは一つ。帰るのみだ。

「(すぐ済む用事なら職員室の筆記用具借りてるだろうし……まさかマジで追試とかそういう系か?)」

 昨日会って少し話しただけだ。恋愛面で揉めてること以外は何も知らない。

 勉強も、部活も委員会も、好きな男のタイプも俺は何も知らない。
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