俺様王子と2℃の恋

1

 放課後先生に呼ばれ職員室に行って三十分、やっと私は解放された。

「よし、帰っていいぞー。これに懲りたらもうサボりなんてするなよ」

「個別に小テスト受けられるなんて感激でーす」

 どうやら一時間目の授業に現代文に小テストがあったらしく、それを受けさせるべく私はわざわざ招かれたらしい。

「時音は受けたんですか?」

「あいつにこんなカワイイ問題解かせるなんて悪いだろ」

「ですよね……」

 それでも一緒に受けさせてくれたら帰る時間も同じだったのに。

 今日も永人はいるのかな――

「はぁ……」

 これから帰れるというのに、一気に気分が重くなった。
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